牛の涙 ~『いのちをいただく』を読む~
10月16日は世界食糧デー
ここのところちょっと暗い話ばかりして申し訳ございませんが、昨日は世界食糧デーという事ですのでせっかくですからこちらに即した話題を少し記録させて下さい。
少し学校へ行く事を控えていた時に息子と一緒に原罪について考えてみました。
というのもウチの子だけかもしれませんが、何かを食べる事(特に肉)に以前から罪悪感を感じている様子があり1冊の本を図書館から借りてきました。
正直・・・この本を読んでみせる事はとても悩みに悩んだのですが・・・たぶん息子なら乗り越えられるんじゃないかなと思いまして。
それはこちらの
『いのちをいただく』(内田美智子 氏:文、諸江和美 氏:絵、佐藤剛史 氏:監修、西日本新聞社:出版)
こちらは坂本義喜さんの原案をもとに児童向けに書かれたお話です。
~九州にある食肉加工センターでのお仕事の内容や、そこに連れてこられた”みいちゃん”という牛を解く・・・~
牛が死を覚悟した時に流した涙を通じて、食について深く考えさせられるお話です。
(詳しくはお話しする事を差し控えさせていただこうと思います。興味のある方は・・・少し覚悟を決めて読んでみて下さいネ。)
私自身がこのお話を知ったのは息子を妊娠中、今から6年前の事でした。
たまたまネットで『牛の涙』という題名の文章を見つけ何の覚悟もないままうっかり読んでしまい、1週間程度お肉を食べられなくなってしまった事がありました。
でも
”みいちゃんや坂本さんが教えてくれた事はそんな単純な事じゃないんだ・・・きっとどんな食べ物だって同じはず。
それなら自分が今生きている事や過去・未来に感謝して生きてみよう。”
と気付く事ができ、何とか立ち直った経緯のある本でした。
みいちゃん、ごめんね
ある日の午後、息子が学校から帰宅した後でホッとしながらおやつを食べていた時に、
「ねぇ、ちょっと食べ物を食べる事について少し一緒に考えてみない?あなたは何かを食べるのは悪い事だと思っているでしょ?ちょっと一緒に読んで欲しい本があるんだ。」
と息子に切り出し、『いのちをいただく』のほんわかとしたイラストの表紙を見せてみました。
すると
「いいよ、読んでみて?」とすぐに返事が。
読み進めていくと途中までは穏やかに読み進められたのですが、途中から私が号泣してしまってうまく読めませんでした。
でも息子はページを開いて見せるだけでだいたいの文字を読んでしまう特性があり、読み聞かせなくても意味を理解している様でした。。。
読み終えると
「みいちゃん・・・ごめんね。。。ごめんね。。。」とつぶやいていました。*1
そして
「ボク、もうお肉食べない!」
と高らかに宣言したのですが、
「それはみいちゃんが教えてくれた事とは少し違うかもしれないよ?」と、この絵本をきっかけに食に対しての色々な思いをお互いに語り合いました。
みいちゃんの王国を
このお話しがとても胸に響いた様で、ある日の午後、息子が
「マインクラフトでみいちゃんの王国を作ってあげたい。」と言い出しました。
マインクラフトとはざっくりと言えばブロックの様な立方体を組み合わせて作られた世界を冒険するゲームなのですが、色々な遊び方が出来る為、海外では教育の現場でも取り入れられている様なゲームです。
通称”マイクラ”と呼ばれるこのゲームではブロック遊びの2次元版の様な遊び方が出来るモードがあり、息子はそこにみいちゃんの楽園を作ってあげたいと思った様です。
↑綺麗な牛舎を作り、その中に
みいちゃんと名付けた牛さん達(何故か牛さん全員にみいちゃんと名付けていました(^^;)。
みいちゃんの安らげる場所を作ってあげられて満足した様子でした。
(ちなみに私が息子にマインクラフトをさせている理由は上記の様に自分が表現したいと思った事を表現出来る一つのツールになればいいなと思っての事です。)
このお話を読んで、食べられる食材が増え・・・たりはしませんでしたが、何故か
”もったいない”
という概念が息子の中に浸透した様で、これを機に何故かティッシュの使い方が少し上手くなりました(笑)
*1:「誰だよ、みいちゃんを。許せない!」とも言っていたので話の真意までは理解出来ていなかったかもしれません(^-^;