不登校のきっかけ、理由3(雨の日は辛い日)
<雨の日に多発する接触>
子どもとの同伴登校が何日か続き、ほとんどの事は見れたかな?と感じていた頃です。
まぁ・・・『授業が聴覚指示ばかりでわかりにくい』というのは入学前から予想された事だったので、『やっぱりか・・・。』という気持ちで一杯ではありましたが、でも
”本当にこれだけなのかな?”
と少し思う事もありました。
これだけの事でここまで行き渋るのだろうか?
その答えはすぐに出ました。
とりあえずこうして見て気付いた事を先生方にお伝えし、改めて支援をお願いしようと考えていた矢先のある日、雨が降りました。
まさか・・・雨の日が鬼門だとは思っていなかったので、あの日私が見たり体験した事は忘れられない出来事となりました。
まぁ、何のことはないです。
言葉は悪いですが、息子は雨の日のサンドバック代わりになっていました。
雨の日って、体力が余りある子にとっては運動場が使えなくて苦しい日なんですね。
色々な感覚への刺激を求めるあまり・・・休み時間になると他のお友達にちょっかいを出すお子さんが増えてしまっていました。
そうした中で息子がかなりビビットな反応を示すのが面白く感じられるのか、複数のお子さんから引っ切り無しにちょっかいを受けている様子を見ました。
誰かのちょっかいが終わればまた別の誰かがやってくる。
そんな中で私も
「お願い、やめてちょうだい。」
と口でお願いしたのですが一向に聞き入れてくれない様子の事もありました。
『あぁ・・・この子達も苦しいんだろうな・・・。』
誰一人苦しむ息子に悪びれる事が無い様子に全くの無邪気さを感じました。そう、悪意なんてないのです。
だから逆に同情せずにはいられない気持ちもありましたが、こうした事を息子はずっと受け続けていたのだと思うと自然と色々な事に合点がいきました。
休み時間に起こる事なので先生方はこうした苦痛に気付いてくれるハズもなく、一人苦しみに耐えていたんだなぁと。息子にしてみればこうした苦しみから救ってくれない先生方に対し信頼を寄せる事なんて到底難しい事だったのでしょう。
実際に私もこの時息子の代わりに体で押してくるお子さんのパワーを受け止めてみたのですが、1年生であっても全身で押してくる力の強さは並大抵のものではなく、帰宅して親子二人でぐったりと疲れ切り、夕食の準備も出来ない程でした。
息子は小学校に入学以来信頼を寄せていない大人や初めての人に対してはかなりキツイ生意気な口調を採る様になってしまいました。その一方で何故かお友達に対してはあまり強く言えない傾向にある様で、大人の先生方にしてみれば
『いつもなら嫌だって言ってくるのだから、友達にやられて嫌な事があれば言えるだろう。』
と感じていたと思います。だけど↓のイラストの様に言えないんですね・・・。
そうした事が今回の件では強く作用してしまったのではないかなと思えます。
この件の翌日もまた雨だったので私たち親子は途方にくれました・・・。
学校にこうした事をご理解いただきたくて、間に別の機関に入っていただこうとある相談機関にお電話したところ
「電話で聞いた限りですが、やめてと言えず逃げも出来ないおたくのお子さんの方が悪いんじゃないですか?見た訳じゃないというお断りはさせていただきますけど。」
要約するとこの様な回答でした。
こちらの相談機関は発達障害に関してプロの機関だという事でお話ししたのですが、高機能自閉症の息子の今の発達段階では「ヤメて!」なんて言えません。追いかけてくる子は腕自慢・足自慢の猛者ばかりなのに逃げれるハズがない・・・。
こんなとんちんかんなアドバイスをされてしまって何かが吹っ切れました。
『この市の教育機関の発達障がいへの理解はこんなものなのか・・・。もちろんそうじゃない先生方もいらっしゃるだろうけど、こうした環境に息子を連れてきてしまった自分を恨もう。もう息子を無理に学校に行かせて苦しむくらいなら学校なんて行かなくてもいい・・・。』
と。
同じ市の方針であっても療育や医療などでお世話になった発達障がいに関わる先生方と小学校の先生方の理解のギャップがありすぎて呆然としてしまったのでした。
ちょうど過去記事↓にも書きましたが、
let-me-pick-you-up-d.hatenablog.com
家庭の食糧も尽き、生活の全てがボロボロになった我が家とストレスが顕著に体調面に表れだした息子。これ以上学校にしがみつく事は何のメリットもありませんでした。
こうして息子は学校に行く事を見合わせる事になりました。
これが最初に不登校になった経緯です。
もちろんこれらは息子や私の立場からの記録です。これを先生方、他の生徒さんの視点から描けば全く別物になるでしょう。*1
それは例えば
『集団の規律を乱す悪い行為』
であったり
『自分の事ばかりでわがままな奴』
という見方かもしれませんね。
でも、立場を変えればちょっと集団に馴染めない人にもこうした思いがある事を少しでも多くの人に知ってもらえればいいな、と思っています。
又、今回私が何日も同伴して登校した事で同じ教室のお子さん達にとって驚かせてしまった事に対しては申し訳ない気持ちがありました。みんなだってきっとお母さんについてきて欲しい気持ちや知らない人が入ってくる事で不安になる気持ちもあったでしょう。みんなの心を乱してしまって申し訳ないなぁ・・・とは常に感じていました。
でも優しいお子さんばかりなので、息子がこのクラスにこだわる理由もわかった様に思います。
<想定外だった事>
学校での様子を見させていただいて、息子に対する一番の驚きは
”言葉の悪さ・態度の悪さ”
でした。
家庭ではもちろん、幼稚園でもこんなに口や態度の悪い様子ではなかったと思います。
それがどうしてこうなってしまったのか・・・という所ですが、
let-me-pick-you-up-d.hatenablog.com
↑前回の記事にも書きました通り、不安感からの強い拒否が悪態やひねくれた言動、憎まれ口やあまのじゃくな対応となってしまうのです。
そうした言動は先生方からしてみれば可愛げのない扱いにくい子と感じるでしょうし、それが障害所以であると知ったとしても、尚更普通級での対応は難しいと思われる点かもしれませんね。
本当はどんなクラスであってもどんな子であっても子ども達の困り事に対して『どうしてこんな事するのかな?どうしてこんな態度に出るのかな?』と観察し気付いて頂ける寄り添いがあれば有り難いなあと思います。
そして又、そうして信頼関係を一つづつ積み重ねていく事でここまでの拒否も発動しないのかなと思います。
まさに
『困った子は困っている子』
である事を色々な方に知っていただければ幸いです。
だからまだこうした成長段階の息子の都合もあり、私としても息子のひねくれた態度をまだ改善する糸口も見つけてやれないもので、学校/息子双方にとって今すぐ無理に学校に行く事が正解ではないのだろう・・・というのが結論です。
まぁ・・・地域によっては情緒級の支援級でうまく吸収していただけるパターンかもしれませんね。(こちらの地域では通級という形での取り出しはしていただけるので、今は週1時間の取り出しだけは何とか通えている状態ではあります。)
この後も色々と続くのですが、そちらについては今はまだお話し出来るだけの体力がなさそうです。またいつか書ける日がくるといいなと思っています。
*1:実は『不登校のきっかけ、理由』シリーズに載せましたイラストは担任や支援の先生方に見て頂きたくて描いたのです。しかし念のためと思い、先生方に見せる前に上記の相談機関に先に見て頂いたのです。
「このイラストを担任の先生方に見ていただいて、息子の状況をご説明したいのですが。」
という旨をお伝えして見て頂いた所、
「これは見せない方がいいです。学校の先生にとって、お母さんの方が自閉症に詳しいとなると・・・ちょっとねぇ。」
と言われ、見せなかった経緯があります。
「この絵に描かれた事はとてもわかりやすかったので、私たちの方から同じ様な事は学校にお伝え出来ると思いますので、こちらから説明しておきます。」
との言葉を信じこの時は引っ込めたのですが、その後先述した通りの様な辛いアドバイスをいただく事となり、こちらの相談機関へはもう相談しなくなってしまいました。今となっては私たちの困難を学校に正しくお伝えいただけたのか・・・わからないままとなりました。
ですから夫と二人で学校へ正式に申し入れた時は書面でこうした内容をお伝えしたのですが、ニュアンスの様な部分がうまく伝えられなかったかもしれないな、と感じています。