一歩踏み出す。(セロトニンを模索する)前編
体調の改善を優先
さて、学校をお休みしている息子ですが”とにかく寝ます”といった話を前回させていただきました。しかしそれも1週間程で何とか22→7時といったリズムに戻ってきました。
というのも台風が落ち着いた頃からサーカディアンリズム(概日リズム)のリセット*1を狙って外遊びに出かけてきたので、ようやくその効果が出始めたかな?とちょっと思ったりしています。
今回はそんな経緯について少し記録させて下さい。
列挙してみる
息子が小学校をお休みし始めた頃といえばちょうど台風で大きな被害が続いた頃でした。
ですので
「勉強が遅れたら不安だなぁ・・・」
との息子の声もあり、当初は勉強を中心に日中の大半を過ごしておりました。
まぁ・・・私が小学1年生だった頃といえば〇十年以上前・・・なので満足に教えてやれない部分もあろうかとは思いますが、傍で見ている感想としては
『教科書レベルの事なら理解しているし、先生に教えていただいた事もそれなりに吸収出来ているんだなぁ。』
といった所です。
「よし、それならば。」と一念発起。
勉強の事は少し横に置いておき、対応内容を切り替える事にしました。
と言いますのも息子の体調不良の内容が
(1)食欲不振
(2)体重減少
(3)成長の停滞(身長が3ヶ月程伸びていない)
(4)入眠困難
(5)夜間排尿
(6)夜尿
(7)多弁(一方通行な発話で会話が成立しない・同じ話の繰り返し等)
(8)潔癖(強迫観念。手荒れするまで手を洗う。)
(9)ゲームを渇望してしまう。(ゲーム依存)
・・・こうして並べてみるとピンとくるものがありました。
『脳内のセロトニン状態が良くないのでは・・・。』
と。
最初に『変だな・・・』と思い始めたのは2ヶ月程前。
身長・体重が変わらない事だったのですが、次第に好きだったご飯でさえもあまり食べようとする意欲が見えず・・・その後は一気に他の症状が発露。
私自身の判断で登校を控えさせるまでに至ったのでした。
ですから体調の改善には脳内のセロトニンが適切に働く様に整えなくてはいけないのだろう、と考えた訳です。
※長文になりそうですので、一歩踏み出す。(セロトニンを模索する)後編
に続きます。
*1:wikiのリンクを貼らせていただきます→概日リズム - Wikipedia
おまかせな日
不登校真っ只中な小一の息子君。
毎日一緒にいると勉強も運動もノリノリな日もあれば、
今日のように“前日は雨で本日は曇り”といったお天気あわせる様などんよりした体調の日もあります。
そんな時は急かしたり無理強いしたくないのであまり予定を入れず、
「今日はあなたがやりたいペースで声かけてネ。公園行きたい時はあなたに合わせるね。」
と伝えてみました。
It depends on you.
のんびりいきましょう~♪
最近こんな時には↓
『No.1 決定トーナメント!! 絶滅動物最強王図鑑』(監修:實吉達郎 イラスト:平井敏明 発行所:学研プラス)
息子はこちらを読んで過ごす事が多い様です。
まさに晴耕雨読な生活です。
こちらの本はもう何度も何度も読みこんで用語集まで丸暗記している程なのにまだ飽きない様です(^^;
確かに
『時代も生息地域も異なる絶滅動物達がもし戦ったとしたら・・・?』
という内容の本ですので大人も子どもも楽しく読み進められるんですけどネ。
しかし我が家の場合、読む速度が私たち親よりも圧倒的に息子の方が速すぎて・・・
「結果をバラさないで~。」
と懇願する日々であります(T_T)
少しの変化
体の変化、心の変化
学校をお休みさせていただいているうちの子ですが、今は本当に心身共に休息が必要な時なのかもしれません。
というのも学校に行かなくなって少し変化がみられた事がありました。
・あれだけ寝なかった子が夜21~22時→9~10時頃まで眠り、更に昼寝もしたがる様に。
・ゲームや動画をあまり要求しなくなりました。
良く寝る様になった事については、眠りやすくなる薬を再開した事が関係しているかもしれません・・・。
が、1年ほど前に飲んでいた頃にはこういった様子はありませんでした。*1
本当はこれだけ眠りが必要な子・・・だったという事かもしれません。
なのに、これまではいつも強い不安を感じていた為にずっと・・・ずっと・・・ずっと不眠に苦しんできたんだろうと思います。
今しばらくは眠りたいだけ眠らせてみようと思います。
まぁ、ゲームの量が減ったのは寝てばっかりに加え、起きたら一応漢字、計算、体育代わりの外遊びという日々ですので必然的にゲームをする時間をあまり与えてやれていないだけかもしれません(^^;
多少の息抜き程度なら手先のスキルアップにもつながるので構わないと思うのは私の甘い考えでしょうか。。。
*1:当時は寝つきが良くなり、本人も心身共に落ち着いた時点で薬が不要になりました。
聞き取りの弱点を再発見
家での学び、
という事で漢字や計算にも一応取り組みつつ、学校ではあまり取り入れない様な取り組みもしてみようと思いました。
”聞き取り力”が極端に苦手なうちの息子。
何がイイかなぁと考えた結果、、、
恐竜以外にもそういえば国旗・国名が好きなので
入学祝いに親戚からもらった”しゃべる地球儀”を使ってみる事にしました。
地球儀の国や国旗を専用のタッチペンでタッチすると、
・国名
・首都
・面積
・人口
の4つを音声で紹介してくれます。
先日恐竜の話をしていた時に
「来年の夏休みにでも恐竜発掘世界マップを作れたら楽しそうだね~。」
なんて話題になりました。
それ以来
「タラルルスはモンゴルで見つかって、ミンミはオーストラリアで・・・。」とこの”しゃべる地球儀”で発掘地を確認したりする様になりました。
そんな息子の様子を見て、
「せっかく時間があるんだし、この音声をノートに書き残してみない?」と提案してみました。ちょうどカタカナ書きの練習にもなるかな~なんて。
まずはアジアから、と中々順調だったのですが・・・
面積や人口の所で何となく鉛筆が止まるのです。
確かにまだ最初だし、学校ではまだ何千万という書き方は習っていないし、という事で最初は私も手伝いながら。
止まる度に音声を止めて何度も聞きなおし、聞いた言葉を脳にインプットという事を繰り返す。少しづつ息子だけで挑戦させてみたのですが・・・
「お母さん、7910万の7000の後はどう書くのかわからないよ(・_・;)7000は7千て書いた方がいいの?」と。
これまでに書いたのを参考に挑戦してごらん、と促した結果が
↓これでした(^^;
700090010万人って・・・
7兆9億10万になってる(笑)
なるほどね、こうした混乱が日々あるんだなぁと改めて実感した次第でした。
(とりあえず聞いたままにメモ書きする、なんて事は手先が不器用なので難しいだろうし、全てを聞いた上で書こうとした時に『はて・・・?どう書くんだろう??』と疑問に思ったのでしょうね。)
この後、
7000
900
+ 10
7910
なんだよ、という説明を本人に行い、反復練習で様子を見ているところです。
家庭での学び
学校はまだ怖い・・・
息子が学校へ足を向けなくなって少し日が経ちました。
その間泣き暮れても仕方がありませんので、学校に代わる施設を探してみたのですが塾などは4年生~というところが多く、フリースクールもまだまだ少数。。。
低学年での不登校は行き場を失ってしまうものなんだな・・・というのが実感です。
こんな事になるなら私学への入学や入学前に就学猶予を検討しておけば良かったかなぁ・・・なんて思う毎日。忙しさ故に向き合えなかったあの時期を悔やむばかりです。
今できる事を。
当の本人ですが、学校には行きたい気持ちはある様です。
ただ、詳細な事情は書けませんが・・・怖いという事の様です。
なのでいつか戻れるように家での学びを進めていく事にしました。
といっても今現在の状況で家で嫌な思いばかりをさせてしまうと息子の行き場はなくなってしまいますので、今まで我が家が行ってきた家庭療育の手法で行っています。
好きな事を通じて学んでいく。
例えば”観察力や考察力”といった事ですが、
これは同じ恐竜図鑑なのですが、版(出版年数)によって内容が異なります。
ある日息子が
「お母さん、見て!ほら、このページ!こっちはユーヘロプスの仲間って書いてあるのに、下の本には書いてないよ!説明書きの所も微妙に違うんだよ!」
と伝えてきました。
そもそもどうしてこの本が2冊あるのか・・・なのですが(笑)公共の図書館や学校の図書室などへ出かけると、大好きなこの本があれば必ずチェックしているそうなんです。
で、そうして眺めているうちに違和感を感じたらしく、
「お母さん、どうしてもこの図鑑が欲しい。」とあまりの必死さに、わざわざ昔の本を探して入手した経緯がありました。
そうして購入した本と、それよりも出版年が新しい図書館から借りた本を見比べて
「ほら、やっぱりボクの思った通りだ、書いてある事が違うんだよ!」
と、今回この様に訴えてきたのでした。
「うんうん、ほんとだね。良く気付いたね。」と伝えた上で、
「(さすがに難易度はもう少し高くはなりますが)そうした版の比較は大学の文学研究なんかではよくやる基本的な手法なんだよね。」
と勉強のやり方や気付き方として正しい事を伝えました。
そして更に1歩踏み込んで考える為に、
「じゃあさ、どうして内容を変えたのか?せっかくだから変えなくちゃいけなくなった理由を考えてみようよ。」と促し、一緒に考察してみる事にしました。
あーでもない~こーでもない~
息子と議論の結果、
”新しい骨などが見つかって、意見が変わったから”
かな?
なんて話に落ち着きました。
・・・私とならこういった考察は出来るんですけれど、学校などで自分の興味の対象外な事については同じことは出来ません。
それが今の息子の現在地、なのでしょうね。
4~5歳までは宇宙好きだった息子ですが、今は恐竜が一番好きな様です。
だから今は好きな恐竜をつかうのが一番本人には導入が楽な様子。
そんな訳でついでにはさみの練習も恐竜で。
(最近どうもはさみのスキルが上達しそうな気配がありまして、少し積極的に取り組んでいます。)
↓これは雨の日のお楽しみ、として雨の日だけ取り入れている遊びですが、
図鑑の好きなページをカラーコピーして、
『草を食べる恐竜のページ』だとか『恐竜バトルのページ』を作って遊んでいます。
ストレスと多弁
以前↓こちらで多弁について少し記録した事がありましたが、
let-me-pick-you-up-d.hatenablog.com
今回はその追記です。
ストレスと多弁
息子が登校を渋り始めたのは9月に入ってからなのですが、その兆候は振り返れば実は6月くらいから出始めておりました。
「今日は休みたい」
なんて日があり、少し疲れた様子でした。
とりあえず休ませて詳しく話を聞くと
「学校の勉強がわからないんだ。」
と。
慌てて教科書を一緒に振り返ってみたのですが・・・
どこでつまづいているのかわかりませんでした。
教科書の内容は一通り理解している様子だったので、
「今日はとりあえずゆっくり過ごしてみよう。」とそのまま休ませて様子を見たんです。
ところが・・・
しばらくすると
”友達がしんどい”
とか
”授業がわかっている事ばかりでつまらない”
なんて事を口にする様になりました。
今から思えばこれが息子なりのSOSだったのでしょう。
学校には行っていたものの、大きな不安の中で過ごす毎日に精神的にギリギリの所まで追い詰めてしまっていたのかもしれません。
その間・・・
息子は家ではゲームかYoutubeの同じ話ばかりを繰り返す様になりました。
きっと周囲の世界が自分にはわからない言葉で構成されている様に感じる中、
大きな不安感の中で、少しでも自分がわかる話に持っていきたかった心理が働いていたんじゃないかなと思います。
当時は息子からの会話はまさに一方通行。。。外からの入力を一切受け付けない様な感覚がありました。
学校を休ませる様になってから、少し違う話が出来る様になってきました。
※なので当時は眠気の多弁と一方通行の多弁で聞く側の私の脳がオーバーフロー寸前といった感じでした(^^;
牛の涙 ~『いのちをいただく』を読む~
10月16日は世界食糧デー
ここのところちょっと暗い話ばかりして申し訳ございませんが、昨日は世界食糧デーという事ですのでせっかくですからこちらに即した話題を少し記録させて下さい。
少し学校へ行く事を控えていた時に息子と一緒に原罪について考えてみました。
というのもウチの子だけかもしれませんが、何かを食べる事(特に肉)に以前から罪悪感を感じている様子があり1冊の本を図書館から借りてきました。
正直・・・この本を読んでみせる事はとても悩みに悩んだのですが・・・たぶん息子なら乗り越えられるんじゃないかなと思いまして。
それはこちらの
『いのちをいただく』(内田美智子 氏:文、諸江和美 氏:絵、佐藤剛史 氏:監修、西日本新聞社:出版)
こちらは坂本義喜さんの原案をもとに児童向けに書かれたお話です。
~九州にある食肉加工センターでのお仕事の内容や、そこに連れてこられた”みいちゃん”という牛を解く・・・~
牛が死を覚悟した時に流した涙を通じて、食について深く考えさせられるお話です。
(詳しくはお話しする事を差し控えさせていただこうと思います。興味のある方は・・・少し覚悟を決めて読んでみて下さいネ。)
私自身がこのお話を知ったのは息子を妊娠中、今から6年前の事でした。
たまたまネットで『牛の涙』という題名の文章を見つけ何の覚悟もないままうっかり読んでしまい、1週間程度お肉を食べられなくなってしまった事がありました。
でも
”みいちゃんや坂本さんが教えてくれた事はそんな単純な事じゃないんだ・・・きっとどんな食べ物だって同じはず。
それなら自分が今生きている事や過去・未来に感謝して生きてみよう。”
と気付く事ができ、何とか立ち直った経緯のある本でした。
みいちゃん、ごめんね
ある日の午後、息子が学校から帰宅した後でホッとしながらおやつを食べていた時に、
「ねぇ、ちょっと食べ物を食べる事について少し一緒に考えてみない?あなたは何かを食べるのは悪い事だと思っているでしょ?ちょっと一緒に読んで欲しい本があるんだ。」
と息子に切り出し、『いのちをいただく』のほんわかとしたイラストの表紙を見せてみました。
すると
「いいよ、読んでみて?」とすぐに返事が。
読み進めていくと途中までは穏やかに読み進められたのですが、途中から私が号泣してしまってうまく読めませんでした。
でも息子はページを開いて見せるだけでだいたいの文字を読んでしまう特性があり、読み聞かせなくても意味を理解している様でした。。。
読み終えると
「みいちゃん・・・ごめんね。。。ごめんね。。。」とつぶやいていました。*1
そして
「ボク、もうお肉食べない!」
と高らかに宣言したのですが、
「それはみいちゃんが教えてくれた事とは少し違うかもしれないよ?」と、この絵本をきっかけに食に対しての色々な思いをお互いに語り合いました。
みいちゃんの王国を
このお話しがとても胸に響いた様で、ある日の午後、息子が
「マインクラフトでみいちゃんの王国を作ってあげたい。」と言い出しました。
マインクラフトとはざっくりと言えばブロックの様な立方体を組み合わせて作られた世界を冒険するゲームなのですが、色々な遊び方が出来る為、海外では教育の現場でも取り入れられている様なゲームです。
通称”マイクラ”と呼ばれるこのゲームではブロック遊びの2次元版の様な遊び方が出来るモードがあり、息子はそこにみいちゃんの楽園を作ってあげたいと思った様です。
↑綺麗な牛舎を作り、その中に
みいちゃんと名付けた牛さん達(何故か牛さん全員にみいちゃんと名付けていました(^^;)。
みいちゃんの安らげる場所を作ってあげられて満足した様子でした。
(ちなみに私が息子にマインクラフトをさせている理由は上記の様に自分が表現したいと思った事を表現出来る一つのツールになればいいなと思っての事です。)
このお話を読んで、食べられる食材が増え・・・たりはしませんでしたが、何故か
”もったいない”
という概念が息子の中に浸透した様で、これを機に何故かティッシュの使い方が少し上手くなりました(笑)
*1:「誰だよ、みいちゃんを。許せない!」とも言っていたので話の真意までは理解出来ていなかったかもしれません(^-^;